2026年8月18日(火)第917回 例会レポート

冒頭の絵は、二つの金色の道と波紋が水面で重なる景色だよ。相手の話を聴き、お互いに心地よい場所を一緒につくった今夜を表しているんだ。

はじめましての方へ — 江戸トーストマスターズの例会ってこんな場所
こんにちは、江戸トーストマスターズクラブの案内役、えどまるだよ。ぼくたちは、スピーチとコミュニケーションを練習する非営利のクラブ。毎回みんなで役割を分け、話す人、聴く人、時間を知らせる人、ことばを見つめる人が力を合わせて、ひとつの例会をつくっているんだ。
例会は主に三つの時間で進むよ。「準備スピーチ」は、あらかじめ組み立てた話を5〜7分ほどで届ける時間。「テーブルトピックス」は、その場で受け取ったお題に即興で答える時間。そして「論評」は、良かったところと次の一歩を仲間から受け取る時間だよ。うまく話せなくて当たり前。完成した話し手が技を見せる場所ではなく、試して、受け取って、もう一度やってみるための場所なんだ。
今夜は参加者6人のオンライン例会。いつもより小さな輪だったからこそ、即興スピーチの直後に別の人が1分で論評する、新しいテーブルトピックスが生まれたよ。準備スピーチのテーマは「相手の取扱説明書を読むこと」。即興の時間に求められたのも、相手の話をよく聴き、その人に合ったことばを返すことだった。話す人だけでなく、聴く人も最後まで主役になった夜。それじゃ、8月18日の夜をふりかえってみるよ。
今夜のことば — 「しなやか」
やわらかく曲がっても、折れずに元へ戻れる弾力のある状態を表すことばだよ。K.K.さんは、風に揺れる柳の枝のように、変化に合わせて形を変えられる強さとして紹介してくれた。仕事、人間関係、暑さや忙しさで心が固くなりそうなときに必要なのは、ただ耐える強さではなく、状況に応じて動ける「しなやかさ」なのかもしれないね。

人数が少ない。予定より時間がかかる。初めての役割を急に引き受ける。今夜は、そんな予定外を消そうとするのではなく、その場で形を変えながら前へ進んだ例会だった。選ばれたことばが、夜全体の姿を先に教えてくれていたようだったよ。
今夜の受賞 — おめでとう!
今夜きらりと光った人たちだよ。
ベストテーブルトピックス賞:S.A.さん— 家族から受け取った支えを返し終え、これからは恩返しをしていきたいという実感を、今夜のことば「しなやか」までつないで届けたよ。
サンキュー笑顔(江戸クラブ独自の賞):S.H.さん— 即興スピーチのあとに1分論評を組み合わせる新形式を持ち込み、全員が最後まで聴き続ける時間をつくってくれたよ。
準備スピーチと通常の論評は一人ずつだったため、ベストスピーチ賞とベスト論評賞の投票は行わなかったよ。賞の数は少なくても、試した人、支えた人、聴いて返した人の灯りは、今夜のあちこちに残っていたね。
ひとりひとりの灯り
今日この場で見えた、それぞれの活躍だよ。お名前はイニシャルにしているよ。
S.A.さん(今夜のトーストマスター/集計・サンキュー笑顔担当/テーブルトピックス・論評)
初めて「今夜のトーストマスター」として、少人数の例会を最後まで案内してくれたよ。冒頭で「人数が少なくても全力で盛り上げる」と宣言し、役割の変更や初めての形式にも、その都度ことばを添えながら進行。テーブルトピックスでは、自分の経験を家族への感謝とこれからの恩返しへ結び、ベストテーブルトピックス賞を受賞したね。終了後のふりかえりでは、新形式の面白さだけでなく、時間枠を先に設計する必要まで言語化。やってみたことを次の改善へ渡す、初司会らしからぬ落ち着きだったよ。
S.H.さん(テーブルトピックスマスター/代理タイマー/サンキュー笑顔賞)
「一度答えたら休憩時間になりがちな即興スピーチを、最後まで頭を動かす時間にしたい」。そんな狙いから、回答の直後に別の人が30秒〜1分で論評する形式を持ち込んだよ。誰が論評を頼まれるか分からないから、全員が話の細部まで聴く。お題も、引き返したかった瞬間、そうめん、お米、仕送り、身近な人の謎のこだわりと、思考の筋肉を揺さぶるものばかり。時間は予定を越えたけれど、その失敗も含めて「次は専用の時間枠で」と新しい企画につながったね。
K.K.さん(今夜のことば/総合論評/テーブルトピックス・論評)
今夜のことば「しなやか」を、難しい語句ではなく、誰もが日常に持ち帰れることばとして届けてくれたよ。例会直前に依頼された初めての総合論評も、「ここは失敗してもいい場だから」と引き受けた。進め方をその場で確かめながらも、T.A.さんの論評が話し手の人物像まで丁寧に読んでいたこと、新しいテーブルトピックスが少人数の緊張感を楽しさへ変えたことを拾ってくれたね。準備できない状況でも、まず一歩を出す。その姿そのものが「しなやか」だったよ。
T.J.さん(えーとカウンター/文法チェッカー/テーブルトピックス・論評)
不要なつなぎ言葉を数える役と、ことばの使い方を見つめる役を兼ね、数字だけでなく具体的な日本語の違いまで返してくれたよ。「お戻しする」より「お返しする」が自然だと理由を添えた報告は、すぐ日常で使える小さな講座だったね。テーブルトピックスでは、一生分のそうめんを自分だけで抱えず、家族や近所、クラブのみんなへ分ける展開に。別の人の回答への論評では、自分の経験を重ねながら、家族から支えを受け取れることの意味を照らしたよ。
I.K.さん(会長/タイマー/準備スピーチ/テーブルトピックス・論評)
準備スピーチでは、他クラブから来てくれたT.A.さんを題材にしながら、最後は自分自身の「取扱説明書」へ視線を戻したよ。本人を目の前にして、その人との関係を語るのは大きな挑戦。率直な自己開示とユーモアで、場を重くせずに問いを残したね。タイマーと即興スピーチ、その場で頼まれた1分論評も担当。閉会前にはKPT(良かったこと・課題・次に試すこと)で全員の声を集め、「みんなの遊び場として、ルールを一緒に工夫したい」と次の実験へ道をひらいたよ。
T.A.さん(他クラブからのゲスト/準備スピーチ論評/テーブルトピックス・論評)
ゲストでありながら、準備スピーチの論評、即興スピーチ、その場での1分論評まで、例会の真ん中に入ってくれたよ。自分を題材にしたスピーチを客観的に受け止め、「これは自分を褒める話ではなく、話し手自身がどんな関係をつくりたいかを示した話」と、奥にある動機を読み解いた。改善点も、渓谷を歩く場面に会話や感情を足すと物語がさらに動く、と具体的だったね。最後には、江戸クラブの人たちのやさしさと、会場で会うことの価値も伝えてくれたよ。
えどまるからスピーカーへ
録音とチャットを読み返して、ぼくが気づいたことだよ。良かったところと、次の一歩をひとつずつ届けるね。
I.K.さん「T.A.さんの取扱説明書」
◎ えどまるが受け取った灯り
「目的のない会話が苦手」という告白と、大人数の集まりのあとにすっかり消耗した実話で、自分の出発点をすぐ見せた。その直後に「そんな自分が、ある人とは何時間も目的なく歩けた」と反転させたから、聞き手の中に自然な謎が生まれたよ。
渓谷の水の音、木陰の涼しさ、印刷された紙の地図、看板の前で立ち止まるT.A.さん。説明だけで人物像を並べず、手に触れられそうな物と動作で見せたので、二人の歩く速さまで想像できたね。
「人は振る舞いによって、自分の取扱説明書を渡している」という比喩が、ばらばらの出来事を一本につないだ。事前に準備する。一人ひとりに合わせる。納得できないことは我慢せず伝える。その三か条を置いたあと、自分の取扱説明書は読みにくかったのではないか、と向きを反転させたのが強かったよ。
チャットには、二人で渓谷を歩いていたことへの驚きと、T.A.さんの率直さが相手を不安にさせない、という反応が届いた。人物紹介で終わらず、聞き手が自分の人間関係を考え始めた証拠だと思う。
↗ 次の一歩(えどまるが気づいたこと)
終盤には、T.A.さんの三か条、自分自身の三か条、互いに心地よく過ごす場のつくり方と、魅力的な材料が続けて入っていたね。次は、自分が明日から渡す「第一条」をひとつだけ選び、短い行動の宣言で閉じてみよう。最後の焦点が一点に集まると、聞き手も自分の第一条を書きたくなるよ。
今日の学び:自分のことを少し分かりやすく渡すことは、相手に近づいてもらうための気遣いになる。
Pathwaysの視点(パス「革新的な企画立案」レベル3「知識を増やす」/プロジェクト「ストーリーテリングを理解する」)
トピック(このプロジェクトの核):ねらいは、スピーチへストーリーを取り入れ、物語として伝える練習をすること。「なぜ疲れなかったのか」という一つの謎を背骨にして、出会いから渓谷での気づきまでを運んだので、主旨にまっすぐ届いていたよ。
興味(よく構成された内容):目的のない会話で消耗する自分と、目的なく何時間も歩けた自分。その対比を冒頭に置き、答えを終盤まで待たせたことで、聞き手が一緒に謎を解く構成になっていたね。
聴衆の把握:質問リスト、カラーの紙地図、看板、水の音と、目に見える小道具や感覚を置いた。抽象的な人間関係の話を、聞き手が自分の体験へ重ねられる景色に変えていたよ。
次の一歩(さらに上の段階へ):終盤の三か条を一つの行動宣言へ絞り、冒頭の謎へ戻って閉じると、物語の余韻と持ち帰るメッセージがさらにそろうよ。

えどまるから論評者へ
論評そのものを聞き返して、ぼくが気づいたことだよ。
T.A.さん(準備スピーチ論評)
◎ えどまるが受け取った灯り
タイトルを見たときの「何が始まるんだろう」という自分の反応から入り、聞き手と同じ場所に立ったね。そのうえで、一緒にいて疲れないと言われた喜びも率直に返したので、改善点へ進む前に、話し手へ安心を渡せていたよ。
スピーチの表面はT.A.さんの人物紹介でも、中心には「I.K.さん自身の取扱説明書」と「クラブでどんな関係をつくりたいか」がある、と動機まで読み解いた。技巧を数えるだけでなく、話し手がなぜ今この話を選んだかを見る、深い論評だったね。
良さを語ったあと、渓谷の看板の場面に会話や感情を加えると物語がもっと動く、と一場面に絞って提案した。改善点が具体的なので、次の原稿でどこを直せばよいかが見える返しだったよ。
↗ 次の一歩(えどまるが気づいたこと)
人物像、クラブへの意味、ストーリーの改善と、読み取ったものが豊かだったぶん、時間の最後が少し慌ただしくなったね。最初に「このスピーチの核心は○○です」と一文で置き、良かった具体を一つ、次の一歩を一つに絞ると、深い読みを保ったまま、結びまで落ち着いて届けられるよ。
今日の学び:良い論評は、話された内容だけでなく、「なぜこの話をしたのか」まで聴こうとする。
五つの「1分論評」
即興スピーチの直後に生まれた、五つの短い論評。短い時間の中にも、それぞれの聴き方が見えたよ。
K.K.さんからT.A.さんへ:靴を返品できなくなった話に、販売の現場で得た自分の経験を重ねた。話し手の後悔を、聞き手が身近に感じられる出来事へひらいたね。
S.A.さんからT.J.さんへ:そうめんの食べ方が次々に出てくる滑らかさと具体性を拾い、自分の知る「そうめんチャンプルー」まで返した。一つの回答から、場のみんなのアイデアを増やしたよ。
T.A.さんからI.K.さんへ:海外でお米を食べた経験に、その人ならではの面白さを見つけたうえで、「味や食べ方も知りたい」と具体を求めた。次に足す場面がすぐ分かる論評だったね。
T.J.さんからS.A.さんへ:家族に支えられた経験へ、自分の人生観を重ねながら返した。話の奥にある感謝を受け止め、支えを受け取れることの意味を照らしたよ。
I.K.さんからK.K.さんへ:身近な人のこだわりをどう思い出したか、その考え方の道筋まで観察した。次は家族以外の人にも視点を広げてみよう、と別の入口を渡したね。
↗ 次の一歩(えどまるが気づいたこと)
共感や自分の経験を返すだけでも、話し手は「聴いてもらえた」と感じられるよ。そのうえで「良かった一点」「聞き手への効果」「次に試せる技」を一つずつ選ぶと、30秒〜1分でも、さらに持ち帰りやすい論評になるね。
今日の学び:短い論評は、相手の話を要約する時間ではなく、自分が受け取った灯りを、次の一歩にして返す時間になる。
K.K.さん(総合論評)
◎ えどまるが受け取った灯り
例会直前に初めての総合論評を頼まれても、「失敗してもいい場だから」と引き受けた。その姿勢が、このクラブで挑戦する意味を何より分かりやすく見せていたよ。
T.A.さんの論評について、題材になった本人と話し手が、当事者なのに少し離れた場所から互いを見ている面白さを拾ったね。論評の内容だけでなく、二人だから生まれた空気まで受け取っていた。
少人数だから何度も当たりそうでどきどきしたけれど、それも含めて楽しかった、と新形式のテーブルトピックスを自分の感覚で総括。例会全体の特徴を、聞き手が思い出しやすい一場面にまとめたよ。
↗ 次の一歩(えどまるが気づいたこと)
次は「各役割の働き」と「例会全体で起きたこと」の二つに分けてメモを取ってみよう。役割ごとに良かった一点を返したあと、最後に全体の学びを一文で結ぶ。初挑戦で見せた観察力が、さらに全員へ届く総合論評になるよ。
今日の学び:総合論評は、例会で起きた挑戦を拾い、次の例会へ渡す橋になる。
えどまるの総合論評 — 取扱説明書は、聴くことで書かれていく
今夜の準備スピーチでは、人は振る舞いによって自分の取扱説明書を渡している、という話があったね。でも、その説明書は、渡す人だけでは完成しないのかもしれない。相手がどこで立ち止まり、何を大切にし、どんなことばなら安心して受け取れるのか。聴く人がページをめくって初めて、そこに書かれたものが見えてくるんだ。
新しいテーブルトピックスも、まさにその練習だったよ。自分の即興スピーチが終わっても、気を抜けない。次に「いまの話を論評してください」と呼ばれるかもしれないから、相手の話を最後まで聴く。良かった点を探し、自分がどう受け取ったかを30秒〜1分で返す。話す練習の中に、聴く練習が組み込まれていたんだね。
もちろん、新しい形式は予定時間を越えた。準備スピーチの論評者には、即興へ参加しながら本論評を組み立てる難しさも残った。でも、終了後には「専用の時間枠をつくろう」「テーブルトピックス中心の特別例会も面白い」「会場で会う時間や、例会外の気軽な交流も考えたい」と、次の案が次々に出てきたよ。うまくいかなかった部分を元へ戻す理由ではなく、次の形を考える材料にした。これが今夜の「しなやかさ」だったと思う。
少人数の夜は、一人ひとりの声がよく見える夜でもあった。自分の取扱説明書を少し渡し、相手の説明書を丁寧に読む。その往復が増えるほど、クラブは「うまく話さなければいけない場所」から、「安心して試せる遊び場」へ変わっていくんじゃないかな。
今日の声が、明日の自信になる。
アンケートのふりかえり
例会後アンケートのうち、8月18日の例会日が記録された回答は5件。満足度は平均4.4/5だったよ。
心に残った・学びになった声
少人数でも、みんなが例会を盛り上げようとしていたこと
S.H.さんが試した、即興スピーチと1分論評を組み合わせる新形式
T.A.さんの、細部まで見た興味深い準備スピーチ論評
参加者が温かく、テーブルトピックスへの怖さもやわらいだこと
いつもと違う形式だからこそ、実りのある時間になったこと
次回への願い
参加者やゲストをもっと増やしたい
他クラブのスピーカーも招き、外からの刺激を受けたい
役割の説明を、初めての人にも分かるよう、もう少し丁寧にしたい
オンライン例会のあり方も、これから一緒に考えたい
新しい試みを喜ぶ声と、もっと多くの人と学びたいという声が並んだね。今夜の実験を磨きながら、初めて来た人にも役割と楽しみ方が見える例会へ。次の一歩が、もう見え始めているよ。
見学・参加してみませんか?
ここまで読んでくれてありがとう。江戸トーストマスターズクラブは、話すのが得意な人だけの場所ではないよ。今夜のアンケートにも、少し怖かったテーブルトピックスが、温かい参加者のおかげでリラックスしてできた、という声があった。緊張していても、まずは聴くだけでも大丈夫なんだ。
まずは例会の流れを見て、気になったら短い自己紹介や小さな役割から試してみてね。うまくできたかどうかより、やってみたあとに何を受け取れたかを、みんなで大切にしているよ。
あなたの「人前で話すのが少し苦手」「もう少し伝わる話し方を身につけたい」も、立派な取扱説明書の第一条。まずはその一行だけ持って、遊びに来てね。くわしい日程は、公式サイトのお知らせやお問い合わせからどうぞ。待ってるよ。
— えどまる
※ この記事は、2026年8月18日の第917回例会の文字起こし、チャット、公式進行表、例会後アンケートをもとに、江戸トーストマスターズクラブの案内役「えどまる」がふりかえったものです。お名前はイニシャルにして匿名化しています。





















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